SNS, IT, DXの弊害を考える

 SNS, IT, DXの弊害を考える

森田明夫

スマホへの中毒的な依存は、世界中に広まっているように思います。2016年にオーストラリアが16歳未満のSNS使用禁止にした時はかなり驚きでしたが、その後ニュージーランド、近年はスペインやフランスなどヨーロッパの各国でも同様な法令が出されようとしています。全てが日本の文部科学省のような教育相が中心となって進めています。SNSが子供の成長にどのような害をもたらすのでしょうか?

Chat GPTSNSの子供への弊害について尋ねると下記のようなことが挙げられています(これもDX頼りですが)。

『メンタルヘルスへの障害:自己肯定感の低下=キラキラ投稿への劣等感や“いいね”承認欲求や依存 睡眠障害 誹謗中傷や仲間はずれなどのいじめや人間関係のトラブル、炎上や脅し。個人情報の流出や消せない自分の恥ずかしい情報の流出。性被害や詐欺、ゲームの莫大な課金などの犯罪被害に遭う可能性 SNSやスマホへの依存、勉強・読書・運動時間が削られる。短い刺激に慣れて長時間集中できない。過激なゲームや情報、思想に不適切な情報に触れて影響される。AIなどにより高度となったフェイク情報を信じてしまう。などが挙げられていました。これは大人でも同様なことが言え、スマホ依存は全ての人の課題となっていると思います。ではどういう対応があるかというと、(とても月並みですが、)スマホを見る時間を制限する。ベッドに入ったら絶対にみない。相談体制を周知する。ネットリテラシー教育で嘘を見抜く力をつける。絶対に個人情報を出さない。などが挙げられています。』ただそれで解決できるかというと、自分の周囲を見てもそれほどうまくはゆかないかなと思います。

以前のブログに書いたことがありますが、20年くらい前に米国の先生が日本に来られたので一緒に信州大学の先生方と焼肉レストランに行った時ですが、信大の先生たちが仲間を集めるためにスマホで連絡を始めたら、米国の先生は席を立ってホテルに向かわれてしまったのです。どうにかとりなして戻っていただいた時に先生がおっしゃったのは、「私は食事の時にスマホを出すやつが大嫌いなんだ。私の家では家族で食事をするときは、お互いの話をする時間であり、スマホで自分の世界に閉じこもる時間ではないんだとして、スマホは皆が見ないようにしている。」とのことでした。自分は決してそれを忠実に守れているわけではないですが、友達などと食事をする時には、スマホを見るのは、「情報を保存するためとか、情報を確認するため」と断って出しています。一度LAでの学会の際に、3名で知人の外国の先生たちと食事に行った時ですが、彼らが食事中話もしないでスマホに夢中だったのです。私自身ものすごく嫌な気持ちになって、その方々とは二度を一緒に食事はしないと誓いました。一方で、2023年にいったフィンランドで大勢が食事をしているレストランでのことですが、色々なテーブルで皆さんが友人や家族で食事をしているのですが、スマホを見ている人が一人もいないという光景を見て、とても驚きました。日本ではどうでしょう?レストランでも電車でも皆がスマホを食い入るように見ている光景が多いですね。フィンランドでは先の米国の先生と同じような習慣を持っている人たちが多いのだと思います。実は私の自宅でもこの習慣はできておらず、娘も息子も食事中スマホをバンバン見ています。たまにあったんだから話をすれば良いのですが、どうにも自分の家族でさえコントロールできないですね。病院とかのランチの時間、コロナの影響かもしれませんが、一人で話をせずに食事している人がいまだに多いのですが(孤食)、スマホ見ながら食事という風景をよく見かけます。作ってくれる人たちに失礼ですよね。このままでは、人と直接話をすることが不得意な人が増えて、画面の中でしか感情を表せない、作られた世界にはまりこんでいってしまう。そんな世界になってしまう気がします。

今は旅行や海外に行くにもすごく便利になって、なんでもネットで調べれば情報や写真が出るし、地図があれば、車でも徒歩でもどこへでも行けます。私が10代最後に(かれこれ50年前)イギリスに一人で旅行に行った際には、ユースホステルやB&Bになかなか辿り着くことができず(どうやって予約したかも覚えていないのですが、、)、道端で道を尋ねて、尋ねても全く聞き取れていないので、指を差した方向に歩いていって、またそこで聞くを繰り返してすごく苦労して宿に辿り着いた記憶があります。今やスマホで自動で翻訳してくれます。その数年後のシベリア鉄道でいった北欧・フィンランドへの旅行の時は、時刻表を間違えて読んでいて最後に貨物列車しか残っていない時間となってしまい、夜を見ず知らずの地で過ごすことになました。もちろん情報は全くないので、近辺の宿など探せず途方に暮れていたら、欧米人の若いペアがリュック背負って歩いてきて、付近の民家に宿を借りようとしているのを見つけ、後についていって“ME TOO”とかいって納屋みたいなところに泊めてもらい、夜を過ごしたのを覚えています。そんな苦労した経験が記憶の底にたくさん残っていますが、数年前に頻回に行っていた海外でのことなど、それほど深く記憶に残っているものはないです。どうしてでしょうか?やはり人の記憶や知恵に残るのは苦労して得た時間と達成(感)なのだと思うのです。昔は友人の電話番号なども記憶しておくか手帳に書いておくしかなかったわけですが、今は自分の病院の番号でさえ、スマホだのみになってしまう時があります。記憶力をつかう機会がすごく減っているように思います。易々と入る情報や、得たものは、どうしても身にならない。だから便利となったこの世界は、人間の知恵をすごく浅薄なものにしてしまっているのかもしれません。

いずれにしても今40代後半以上の人たちはかなりの時間(成人するまで)をスマホなどない時代に過ごしているので、物事を自分で調べ考える力をつけていると思いますが、それ以下の人たちは、スマホに記憶してもらい、考えてもらい、そして決断してもらうようになってしまうかもしれません。

もちろん今からデジタル社会から脱却してアナログに完全に戻ることは不可能ですし、子供たちは、ますます高度化するデジタルやAIに、人間として対峙して行かねばならない時代に生きて行かなければなりません。そのためにオーストラリアのようにある一定の年代まではSNSは使わないのが良いのか、コントロールして使わせる、勝手に使わせる(日本や米国のほとんど)のが良いのか?あと10年〜20年後に考える力の差がどうなってゆくのかとても気になるところです。

何も答えになっていませんが、スマホやSNSは十分に害のあることを認知して、でもうまく付き合う方法、同時に家族や友人、恋人と人として話をする時間を持つこと などが大事なのかと思う次第です。

まずは以下を少なくとも自分の周りでは大切にしようと思います:

1)         会食中、食事中は極力スマホは見ない。人とのつながりや会話を大事にする。

2)         睡眠直前1時間は目覚ましを設定したらスマホを決して見ない。

3)         住所、電話番号、漢字の書き方、忘れたタレントの名前などなんでもかんでもスマホ頼りにしない。自分で覚える、思い出す努力をする。思い出せた時の達成感は幸せ。

4)         便利なスマホの機能は活かす。(一応デジタル社会の恩恵を享受する)

少しは頭を使って記憶を呼び起こすこと。そして人とのつながりを大切すること、体を動かすことが大事と思います。

みなさんスマホやSNSはうまく活用しましょう!そしてアナログな習慣と努力も忘れずに。

 

雑談:

先日富士山を見に箱根にいって来ました。なかなか目指した大観山からの芦ノ湖越しの富士山は見ることができなかったのですが、三度目の正直で、早朝にすごく綺麗な朝焼けに浮かぶ富士山を眺めることができました。富士山は冬の早朝が良いですね。

それと、この1~2月には、かねてからの念願がいくつか叶いました。一つは脳神経外科の手術書を漫画で作りたいという夢を若い頃から持っていたのですが、210日発刊で、学研秀潤社漫画でわかる脳神経外科極意・Dr.森田の脳外が完成し上梓されました。素人受けするものではないですが、むしろ脳神経外科以外の方からも好評でした。6つだけですが、私のレシピまで掲載しています。

もう一つは、3年前に寺岡記念病院高齢者健康医学センター長をしている時に、近隣の企業との事業を起こそうとしていて、日本医学会2023などに使われたコングレスバッグを作ってもらった貝原デニムさんと共同して手術や普段着に医師、看護師、医療職、その他の人たちも着れるスクラブを作る企画をしていたのです。それがようやく出来上がりました。残念ながら企業の方針で、一般販売せずにワンロット100着だけの製作に留まってしまいそうですが、なんとか宣伝も試みています。

また以前も紹介したかもしれませんが、東京労災病院では京急さんとさまざまな事業をしているのですが、京急ストアとのコラボで開発した 東京労災病院院長監修 からだ想い弁当が 2026スーパーマーケット弁当・惣菜大賞入選しました。京急ストアさんでもいまだに経験したことのない快挙らしく15000余の商品から数点の入選に入ったこととのことです。

さて今年は何をしようかと画策中です。AIにすべきことを聞くとまた考えずに進めてしまいそうですね。少し頭を使って、じっくり考えるくせ、努力をしてみようと思います。

 

              SNSの弊害と予防法(子供と一般論)

 

                                            AIの弊害は?

 

                                    スマホを使わない食事風景

 

                                            箱根大観山より望む芦ノ湖越しの富士山

 

                  DR森田の脳外漫

 

  貝原デニムとのコラボスクラブ
 
京急ストアとのコラボ弁当 夏・秋・冬バージョン