MMXプロジェクトの成功を祈る 5年後を考える

  

MMXプロジェクトの成功を祈る 5年後を考える

                                                                             森田明夫

       10月20日早朝H3ロケットの打ち上げがありMMXの火星への軌道投入に成功した。JAXAが推進する火星衛星フォボスの探査、10gの砂を持ち帰る計画である。また火星に人が行ったことはないが、来年8月までの10ヶ月の道のりという。そしてこの計画は2031年に帰還という5年がかりで進められている。さぞかし綿密な軌道や機器、エネルギー配分、帰還の計画などが進められているのだろう。不景気な話ばかりの今日この頃でとても夢のある話だ。ぜひ宇宙の平和利用のためにこのような探索研究が進んで欲しいと思う。NHKとJAXAが共同開発した高解像度カメラを用いた火星やフォボス、宇宙の写真や映像が楽しみだ。現在は太陽光パネルの開放や軌道の調整など、計画は順調に進んでいるとのこと。定期的にJAXA等から届くワクワクするニュースを待ちたい。

       さて5年間という計画の期間は、人の人生を考えてもとても長い。小学生2年生なら小学校を卒業し、大人になると何も記憶に残っていない時期(多分自分の意識で何も考えていない?)から色々多感な時期になる頃。中学生であれば高校生に、高校生であれば大学生や就職、大学生もほとんどは社会人かさらに深い学問や修練に励み始まる。20代、30代、〜60代、70代でもガラッとその人生の色は変わる。私はといえば、5〜6年毎の転職をしてきた。一番人生で長く同じところにいたのはMayo Clinicの9年間(1989~1998)と日本医科大学(2013~23)の10年間だ。でも同じ5年間や10年間でも20年の違いでも、その濃さは若い時と高齢になった時とは大きな違いがあるのを感じる。よく歳をとると時間が経つのが早いと言われるが、その通り。歳を取れば、ボケていない限り仕事の経験値や仕事に慣れて能率性も増えて、仕事のできる量は増えそうな気もするが、一方でむしろ困難や苦労、心を動かされる驚きや、達成感がその分少ないから感じる時間を短く感じるのかもしれない。心の新鮮さや感度を上げて、子供や若い人たちのように感動し、驚き、初めて経験するようにワクワクしていれば時間が経つのが遅く感じるようになるのかもしれない。いつまでもワクワクを忘れないように生きていたい。そのためにはどうしたらいいかと考えると、無理して感動するわけにはいかないので、初めてのことを進んでするということが良いのかと思う。この年齢になるとやや全てのことが億劫になり、いきなり新しいことに顔を突っ込もうとは思わなくなってしまうが、これを敢えて、突っ込むということだ。いまの自分に生まれて初めてできるることといえば、初めての街で街を歩くこと。何か面白そうな企画があれば、積極的に参加すること。初めての人とも積極的に深く話をすること。そして今ちょっと無理してやっているのはとある組織の国際ガイドラインの作成に参加している。自分が専門にしてきたことでもあるので、人生の最終の大仕事かなと思っている。会議時間が米国時間なので、今朝も朝1時から密な話あいがあった。言葉の壁と眠たい頭なので、なかなかどんどん発言するという状況にはできていないのだが、毎週あるので、次回からは少し積極的に話をしてみようかと思う。拙い英語で、弁達者な人たちの中で、英語の表現の仕方について話をするのは、やはり緊張し、少し自分のワクワクやヒヤヒヤに繋がるかなと思っている。大失態で恥ずかしい日々を送ることになるかもしれないが。

       何はともあれ、新しいことにチャレンジする精神を忘れずにもうしばらくは頑張ってみようかと思う。とりあえず今目の前の大仕事をしながら、旅は妻と定期的に行っているが、同じところが慣れてしまったが、毎回違うところを目指しても良いかと思う。新しい環境の下、初めてのことにチャレンジして、長く感じる時間を過ごして行きたいと思う。実際に「時間を長く感じるか?」は、、、、よく考えると、結局10歳では1年は人生の10分の1、70歳では1年は人生の70分の1だから客観的に自分のキャパの中では短く感じるだけという単純な理由なのかもしれないが。。。

 

雑談:今月・神在月に島根・出雲を旅してきた。もちろん出雲大社やその周辺の支社も素晴らしいが、出雲古代博物館という出雲大社の手前にある博物館はすごい。ものすごい数の銅矛と銅鐸が展示されている。出雲地方の加茂岩倉遺跡や荒神谷遺跡から銅鐸や銅矛がまとまってでてきたことがある。それも整然と埋められて。誰が、どのような理由で埋めたのかはわかっていない。日本の古代史の謎である。出雲大社の東がわに小さな支社がある。神魂伊能知奴志神社(かみむすびいのちぬしのかみのやしろ 別名 命主社)といいその手前に御神木の樹齢1000年と言われるムクノキがある。1000年間日本を見てきたそれこそ魂の宿る樹だ。今回はサラッと寄っただけだったが、次回はぜひ加茂岩倉遺跡や荒神谷遺跡を訪れて、古代の人たちが何を考えて、ここに貴重な文物を埋めたのかを考えてみたいと思う。またそこには日本という国がどのようにできてきたのか?どうやって文明が渡ってきたのかなどの謎が隠されているのだと思う。火星も日本もわからない事ばかりだ。これからに期待。

 

写真: 

                                    MMX Project

                                    フォボス探査機

 

出雲古代博物館の荒神谷遺跡から出土した銅矛 

 偶然工事現場(現在の雲南市加茂岩倉遺跡)から出土した銅鐸(壊れているのは重機の跡)

             弥生人の至宝と言われる銅鐸 手の部分に海亀の絵

                                        神魂伊能知奴志神社と樹齢1000年と言われるムクノキ