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中学生に伝えたいこと

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  中学生に伝えたいこと    森田明夫                          先日、近隣の大田区立大森第一中学校 3 年生・卒業間近の 70 名余りの生徒さんたちに講演させてもらう機会を得ました。これは昨年4月に大森一中を訪問して約 1 年越しで叶えられたイベントでした。私は大学では教鞭を取れましたが、教員免許は持っていないので、小学校・中学・高校では正式な講義はできないのです。そこで道徳の時間を使って、体育館で講演という運びとなりました。     何を話そうかかなり悩みました。 ChatGPT に中学 3 年生が喜びそうな話題は?と聞いたらゲームや恋愛、 SNS など楽しいことをたくさんあげてくれましたが、どうも私の範疇ではありません。そこで、いつも大学で低学年にも話していた脳の機能や手術の紹介、それと夢を持って生きて欲しいということを中心にお話ししました。脳の手術はリアルな画像も入りますし気持ち悪くなる生徒さんもいると思いましたので、写す前に気持ち悪くなりそうなら目を瞑ってくださいとお話ししていましたが、最近はかなり医療ドラマも多く、実際の手術の場面なども出てくるので、そういう子達はほとんどいなかったように思います。頭蓋骨をドリルで切り取るところなどは前のめりに見てくれたようです。最後に質問で、これまでに最も大変だった手術はどんな手術でしたか?などという質問も出たくらいです。     さてその中では、脳はとても脆弱な器官なので、だから頭蓋骨という厚い骨で覆われていること。お豆腐のように水の中に浮かんで保存されていること。だから自転車ではヘルメットをしようというお話しをしました。     次に、人間の脳と AI との違いで最も際立つのは感情と理性・判断のところで、その行き着く先が「夢を持つこと」だと ちょっとこじつけのような話に繋げました。 AI も夢を見ることがあるかもしれませんが、自分固有の体を持たない AI は自分を大事にして、その個体がかなえるもの...

2月の風景

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  2025 年 2 月の風景                         院長 森田明夫 10 数年欠かさず続けてきたブログを 2025 年 2 月には失念してしまいました。それくらい公私共に色々な行事が目白押しだった、、のです。。と言い訳。労災病院院長として病院の昨年度の業績に基づいて、将来の方向性を示すことを労働者健康安全機構本部でこの時期にしないといけないのです。当院は 2024 年に整形外科の事件後の撤退や腎臓内科の縮小、眼科の非常勤化など様々な要件がかさなってしまい極めて厳しい経営状況を続けています。それでも脳神経外科や呼吸器外科、泌尿器科など昨年度の 50% 超となる収益増となっている診療科もあり、ほとんど診療科がプラスなのですが、整形外科が当院の収入の 16% を叩き出していましたので、なかなかそのギャップを埋めることはできませんでした。 2025 年 4 月からは、整形外科の 7 名( 10 月から増員予定)での復活、眼科の常勤化、また腎臓内科も常勤 3 名体制に戻ることができます。残念ながら稼働率の低迷から一病棟を一旦休床とする決断をせざるを得ませんでしたが、なんとか近いうちに復活を遂げたいと思っています。 当院には「命の輝きを共有できる病院」という以前からの理念があります。その上で、再度当院の MISSION と VISION は下記であることを職員に徹底しています。 MISSION •        地域の住民・勤労者の健康と安全を守る VISION •        働くことに誇りを持てる病院となる •        地域に信頼される病院となる   その他挙げた当院の課題と対策は 1)          診療の強化 断らない救急・医療連携の徹底と基礎診療科のほかに売りの診療科を作ること ひっきりなしの連携医療機関訪問・救急隊との連携強化 2)    ...

東京労災病院の2024年

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東京労災病院の2024年をまとめました。  

受援力

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  「受援力」 森田明夫 1/12(日) NHK ラジオのアサ いちのマイボイスで東大の上野 千鶴子さんが 「受援力」 の話をしていた。聞きなれない言葉だが、援助を受ける力(能力・コツのようなもの)のことである。介護とか福祉だけのことではなく、人生一般に必要なコンセプトだ。特に医療に関係のある介護の領域では、介護をする人はその道のプロであるが、介護を受ける人はもちろん誰もが初心者である。介護を受ける人にもそのされ方をコーチングし、心得てもらう必要があると言うのである。 上野千鶴子さんは、 平成31 年に東京大学の入学式で祝辞 が話題となった東大教授で、フェミニズムや「お一人様」の生き方などについて色々な本を書かれている。 さてその中で昔書かれた本「おひとり様の老後」という本で「介護される側の心得 10 か条」と言うのを書かれているそうである。その中のいくつかを紹介されていた。挙げられていたのは、 1.       自分にできることと自分にできないことの境界をわきまえる 2.       不必要な我慢や遠慮をしない 3.       何が気持ちよくて何が気持ち悪いかをはっきりと相手に伝える 4.       嬉しいこと、助かることをされたら喜びを素直に表現し、相手を褒める 5.       介護者の馴れ馴れしい言葉づかいや、子供扱いを拒否する 6.       介護してくれる相手に過剰な期待や依存をしない 7.       ユーモアと感謝を忘れない 患者を診る側としてもとても参考になるリストである。自分の思うことや、感じることをはっきりと言ってもらうこと。特に患者さんたちに馴れ馴れしい言葉づかいや、認知症の高齢者に子供あつかいするのは絶対に避けるべきだと思う。もちろん自分が患者になった時も忘れないようにと思う。 ちなみに書籍からの追加...

報告:大田区との合同災害訓練を実施しました と 「お金のお話」について

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  先日 11 月 30 日(土曜日)に大田区との合同災害訓練を実施しました。 DMAT 隊員の脳神経外科・加藤部長と 4 階西病棟・末永師長の差配で医師、看護師、薬剤師、技師、事務職など当院職員約 80 名と、大田区職員、大田区医師会の医師、地域の自治体ボランティアの方々約 50 名程度に参加いただき、千葉で震度6強の地震が発生したという災害を仮定しての訓練でした。当院の大田区の 6 万人の住民がいる大森、糀谷、羽田地区の周辺の救援から孤立しうる地域にあり、この地域の中心拠点として災害対応にあたるよう位置付けられています。 訓練開始後、病院院内から続々と報告される施設の被災状況は、断水、ガス停止、停電しており、通常電話回線もストップしており、病院機能はある程度保たれるが、通常診療は実施できないので、災害救急患者だけを受け入れられるというモード C の発令をしました。病院の患者の現状、院内患者の怪我、職員の怪我の状況の把握、さらに震度5強以上では全職員は病院に集合するという原則のもと、職員・その家族の安否も含めた職員登院状況の把握、その来院した医療人材の適所への差配を実施します。救急来院患者はボランティアの住民の方に、模擬患者( SP )をしていただき、病院前に設置した救護所でトリアージを実施、緑・黄・赤・黒ゾーンに患者を仕分け、途中で黄色から赤に変わる患者なども想定、患者の診断に基づいて、入院・手術・治療などの方法を検討しました。当院は ICU は6床、オペ室は急患対応は 3 件同時手術可能、 4 階西病棟は救急患者を 20 名まで収容できるので、そのキャパシティーに応じた急患受け入れ、開頭手術や骨折治療、消化器疾患の治療を実施するというシナリオで進めました。さらに近隣の医療機関からも緊急転院を受け入れるとい設定で、当日同時に災害訓練をしていた渡辺病院からの脳神経外科の意識のない患者などの転送を受け入れるというシミュレーションも行いました。かなり病院機能に負荷のかかる状況を模擬した設定でしたので、その間に様々な事象で「ここはどうするべきなのか?」などという案件が浮上してきました。全体での情報周知をどうすべきか、職員家族の被災や地域・日本の被災状況からの当院のできる対応とか、医師が足りない時には近隣の開業されている 医...

技能オリンピックと若き天才

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  技能オリンピックと若き天才 森田明夫 先日 NHK ラジオで寺島実郎さんだったと思いますが、世界 技能オリンピック のことを紹介していました。その中で、なんで日本のマスコミや国はこういった優れた若い人たちを讃えないのだろうと言っていました。 技能オリンピックというのは 1950 年にスペインでの第一回から始まった職業・産業技能を国際的に競いあう 2 年に一度開催されている大会だそうです。原則 22 歳までが参加資格(種目によってはもっと年長まで参加できるものもある)があって、我々の関連する料理、美容からホテルフロント・レストラン接客、貴金属加工、旋盤、再生可能エネルギー、その他工業技術など 40 数種類に及ぶ種目を競うそうである。基礎的な理論から実践までを点数づけして競うそうである。日本は第 11 回から参加し、金メダルや銀、銅メダルの数が世界3位くらいだった頃まではマスコミでも取り上げられたが、最近は成績が振るわないので、あまり取り上げてくれなくなったそうである。私もこのラジオで紹介されるまでは全く知らない催しでした。ただ今年リヨンで開催された大会では久しぶりに金メダルや上位入賞した若者が多くおり全体で5位の成績だったそうです。内容を見ると水の管理とか、磨き技術などあまり馴染みのない仕事も多いですが、このような若い人たちが頑張って日本の産業、国が栄えていることを知ってほしいというのが寺島さんのお話でした。この大会に出場するには、まずは日本の中で選考会があって、その中で選抜された人たちが大会に出場するそうです。今年見事入賞、メダルを取った人たちは こちら のようなリストです。 金メダルは産業機械(デンソー;清水源樹さん)、自動車板金(トヨタ自動車;小石さん)、美容・理容(クラルーム学院:濱吉さん)、車体塗装(トヨタ自動車:星野さん)、再生可能エネルギー(きんでん:郡安さん)の 5 名、そのほか銀メダルや銅メダル、敢闘賞などを取得した人たちが多勢います。帝国ホテル、日産、その他いろいろな会社や学校がバックアップして一生懸命若い人たちを育成しようとしているのがわかります。 ビデオなどもあるので、ぜひ一度ご覧いただくと良いと思います。また今年の日本全国大会は 11 月末に愛知であるそうで、また 国際五輪 ...